ベースボールジャケットは、野球の防寒着としてニットウェアから布帛素材(織物)へと変遷しています。その呼び名はウォームアップコート、ベンチジャケット、ベースボールジャンパー、スタジアムジャケットなど、様々な呼び方がありますが、20世紀の初頭のウールのマキノ(マッキノウコート)、1920年代頃までのスエター(セーター)から1930年代、このボタン掛けのモデルが誕生しています。
素材はウエアハウス、組み立ては米国エベッツフィールドフランネルズが担当したコラボレーションモデルのボタンスタジャンです。現在「スタジアムジャンパー」と呼ばれている「スタジャン」は、1930年代から40年代頃まではスナップボタンで留めるタイプではなく、穴かがりのボタン式でした。
目の粗いリブはネックリブが高めで、風防はもちろん、折り返しても着用できるように。
胸のシニールはウエアハウスがスタジャンで使用する密なサガラ刺繍技術を駆使して、当時のタイガーフェイスの風合いに近付けたもの。
ナットボタンを濃紺の染めた穴かがりボタン。
ポケット口は擦れが多い箇所のため、ウールの織り目が現れやすい
ボディに対してやや濃度を落した紺色のリブ。
目が粗くシャリ感に富んだウールリブ。
日本に現存するウール用の力織機を使って作られた弾力のあるウール生地は、この時代の風合いにベストマッチ。
すべりが良いように裏地を付けた仕様。
「OSAKA」「USA」の文字が入るボタンジャケットの織りネーム。戦前のアメリカにインスパイアされた作った日本の野球チームの織りネームに相応しい。